Temple report

紀三井寺が発行している寺報の「霊場 紀三井寺」をご紹介いたします。掲載している内容は、各号の一部分ですので、興味を持ったかたには物足りないかもしれません。定期的に発行される寺報をご自宅に郵送しております。当寺では、寺報の定期購入の申込みを受け付けております。

延命十句観音経は奇跡のお経 第597号令和2年3月15日発行

 第一面で、満開桜写経のご勧進についてお知らせしました。 写していただくお経は「延命十句観音経」です。十の聖句から出来ているので「十句」といいます。たった十の句、文字数にして四十二字しかない短いお経です。広く拝まれる般若心経も短いお経ですが二百六十余文字。その六分の一もありません。  しかし、このお経に込められた教えは簡潔にして深遠で、仏の教えの「きも」に触れることが出来るのです。  かなりの意訳ですが、私なりに次の様に訳してみました。  御参考になればさいわいです。

 延命十句観音経音

①観世音 観音様 ②南無仏 あなたを信じます ③与仏有因  あなたと同じ遺伝子と ④与仏有縁 あなたに巡り会うえにしを生まれ持った私です ⑤仏法僧縁 あなたと、その教えと、仲間に恵まれ 苦しきこの世に居ながら ⑥常楽我浄 心地よく清らで変わらぬ命 そう ほんとうの私に巡り会えるのです ⑦朝念観世音  だから 朝に夕に ⑧暮念観世音 観音様をお祈りします ⑨念念従心起 祈れば祈るほど ほんとうの私が立ち現れて ⑩念念不離心 祈れば祈るほど心から離れることはありません

 江戸時代の禅宗の傑僧・白隠禅師は『延命十句観音経霊験記』という書物を著していますが、そこには………  冥土に旅立った亡者の枕元で、親族らが、吸う息、吐く息にこのお経を載せて懸命にこのお経をお唱えすることで、亡者は生き返った。そんな奇跡の逸話が、いくつも紹介されています。「延命」という言葉が経題に冠せられているのは、その為です。  どうか貴方様も、この不思議な奇跡のお経にご結縁下さい。

紀三井寺 貫主 前田泰道

紀三井寺開創1250年秘仏御本尊御開帳開白されるも 第598号令和2年4月15日発行

 紀三井寺は今年、令和二(二〇二〇)年、開創一二五〇年を迎えました。この五〇年に一度の節目には、秘仏御本尊・十一面観世音菩薩様、同じく秘仏(秘龕仏)の千手(せんじゅ)観世音菩薩様がご開帳されます。  去る三月十七日(火)午後三時、本堂奥の大光明殿 に、前田泰道貫主と、和歌山市御在住の三総代(有田眞一氏、島正博氏、林泰行氏)が入殿し、前田貫主が、世界的に蔓延し始めた新型コロナウイルス禍終息と御結縁者の福徳円満・諸願成就を祈念された後「御開帳! 御開帳!」と大音声にて承仕の僧侶を促し、本尊厨子の扉が開扉されました。 工芸作家・山西杏奈氏により新たに製作された荘厳簾の奥で厳かに並び立つ秘仏二尊が尊容を現すと、参会者からは感嘆の声が漏れ、この瞬間、春と秋計一九四日に及ぶ御本尊御開帳が開白されました。  翌三月十八日(水)より開始された特別拝観は、ウイルス感染防止に配慮して通気に勤め、午前十時から午後四時の開帳時間の間、整理券を配布して、二〇分ごとに二〇人に限り入堂頂く形式で行われました。 こうして一日最大三六〇人に制限された御拝観は、三月二十二日に開花宣言が出された桜が咲き進む中、二十一日間で四四一二名の御拝観者をお迎えしましたが、四月七日(火)、安倍首相より新型コロナウイルスに係る緊急事態宣言が大阪府、兵庫県にも発動されたのを受けて、近隣他府県の方々の移動を誘引して仕舞わぬよう、翌四月八日(水)より、この宣言が解除されるまで、現在停止されております。 五十年に一度の秘仏御本尊の御拝顔を楽しみにして頂いている皆様におかれては、再開後の御結縁をお待ち申し上げております。(予定日程は四面に詳細)  尚、江戸時代の本尊復刻印を押印した前田貫主揮毫の特別朱印(一〇〇〇円・一日三十三枚限定)も、現在頒布は中止され、御開帳再開後に再開されます。

身体は離れていても、心はぎゅっと寄せ合って 第599号令和2年4月15日発行

 五月六日までという期限で、全国を対象に出されていた新型コロナウイルス禍にかかる緊急事態宣言は、さらなる蔓延の恐れが払拭されず、五月三十一日まで延長されました。  そんな中、医療に従事している方々は、感染の危険に晒されながら、ご家族の心配や、謂われのない偏見を背に、献身的に業務を遂行されています。  紀三井寺では、こうした医療関係者に、感謝と応援の意を伝える為、世界的に展開されている「ブルーライトアップ」運動に呼応して、五月七日(木)から二十一日(木)までの二週間、夜七時から十時までの三時間、境内の仏殿をブルーにライトアップしています。 (照明施工はアークコーポレーション・橘登氏)  これはまた、この災禍を封じ込めるため、移動や営業の自粛に協力して犠牲を払っておられる全ての人たちへのエールでもあります。

 このウイルスの好物は、人同士が近づくことです。人と人が離れてしまうと、このウイルスは生きることすら出来ません。ですから、不要不急の用件で人同士が近づくことは、「戦時下」の今は我慢せねばなりません。  ご祈祷、ご回向、御法話に巡礼、紀三井寺で行っている全ての行事が実は「不要不急」だったのだと、今回初めて、思い知りました。  でも逆に、スポーツ、演劇、様々な会合、そして宗教、「不要不急」のこれら全てが、いかに私たちの生活に色を添え、心に潤いを与えていたかを気づかされることにもなりました。 不要不急なる娯楽余興を全て失った今、ウイルスへの恐怖は、疑い、妬み、怒り、偏見、差別といった様々な病変を増殖し、人は、人との心の距離まで離してしまうのです。 今こそ、身体は離れても、心はぎゅっと寄せ合って、笑い合い、励まし合い、苦境を乗り越えていこうではありませんか。

紀三井寺 貫主 前田泰道

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