紀三井寺ケーブルのニックネームが決まりました。「文左衛門」!ニックネームは「文左衛門」です。
このケーブルが出来るまで、高齢者や足の不自由な方々を寺から遠ざけていた、あの急な石段には、「結縁坂」という別名があり、それは昔、紀伊国屋文左衛門が母を背負って参詣した故事に由来します。海南市の宮本修志さんと、東京都の女性、T・Uさんのお二人が、紀三井寺に出来たケーブルを「現代の文左衛門」と見抜いて応募下さった命名です。お二人にはご当選を祝し、後日記念品を送付させて戴きます。
紀三井寺の楼門から仏殿下までのケーブルカーが運行を開始したのが昨年、令和四年の4月5日。以来、1年4ケ月を経過した今年7月末までで、上り下り、のべ93000余の方々が、この昇降機をご利用下さっています。
正月初詣やシーズン週末には、ほとんど休むことなく上下を繰り返す健気なケーブルカーに、ニックネームを付けて戴こうと、昨年11月13日の開山忌より境内に応募箱を設置し、今年5月31日まで、募集は継続されました。
寄せられた件数は五四八件。和歌山市内を中心に県内市町村、そして全国各地からのご来山者が、思い思いのニックネームをお寄せ下さいました。可愛らしいお子さんの字も有りました。最も長い名前は、スケールも大きい「紀三井寺オーシャンスカイケーブル」。
応募数が最も多かったのは、「きみちゃん」「KIMMY」など紀三井寺を愛称化した名前、次に「キミーブル」、紀三井寺とケーブルの合体型です。「かんのん号」や「おかげ丸」「開運」は観音様のご利益期待型。「さくら」「さくらケーブル」「花ケーブル」は桜の名所をアピール下さった花の寺型。「みかん号」「オレンジカー」は客車の色にご注目でしょうか。「あっしー君」「おたすけ号」「ラクチン」は、今回のバリアフリーを喜んで下さっています。
そんな全ての応募ニックネームを、日頃ご来山者と直に接している当寺職員に見てもらい、最適と思う名前を投票して貰った結果、選ばれたのが「文左衛門」。
どうか皆様、紀三井寺に参られて良きご縁を!。徒歩の方には結縁坂が、そして「文左衛門」ケーブルがお待ち申し上げております。
紀三井寺と紀伊国屋文左衛門の関わりについては、寺報「霊場紀三井寺」の8月号(8/15発行)を御参照下さい。