去る1月18日、初観音の大般若経転読法会が終った境内、多宝塔南の春子稲荷社前にて、この稲荷社の縁起である「春子稲荷伝説」を絵解きで表現した壁画の除幕が行われました。

今から441年前、豊臣秀吉・秀長兄弟(当時は羽柴姓)による紀州征伐時、当寺が不思議にも焼討ちを免れ、それが、春子という若き女性のお蔭だと見なされたのが『春子稲荷伝説』です。
 この伝説周知の為、絵解き冊子作成を貫主が思い立ち、手水舎の天井画ご奉納等でお世話になった田村茂(泉南市)さん、渡里幸(和歌山市)さん両画家に相談したところ、大いに興味を示され、瞬く間に六点の絵が描き出されました。
 さらに、稲荷社の参詣者が一目でわかる壁画にしては、とご提案下さった田村さんのご縁で「鏝絵」技術を持つ小川昇さん(海南市)を紹介頂いて、昨年九月から壁画制作が始まりました。
 まず瓦師、北野雄司さんの手で社前に白壁が築かれ、その白壁に画家お二人が下絵を描きます。その下絵を元に、小川さんや大谷忠宏さんという左官さんが、漆喰塗りの道具「鏝」で絵の一部をレリーフ(浮彫)状に肉付けします。最後に画家のお二人が彩色を施すという工程が年明けまで続き、「鏝絵春子稲荷伝説壁画」は竣工しました。
 稲荷社前には、FRP(繊維強化プラスチック)造形作家の石田貴志さんがデザインされた、白狐が寄り添う春子像も設置されました。
 式典では、壁画制作に関わられた画家・職人さん達五名の手で壁画と春子像が除幕され、僧侶方やご信徒が見守る中入魂の作法を行った前田貫主からは、感謝状と記念品が贈られました。
 NHK大河ドラマ『豊臣兄弟』放映であの時代が注目される中、伝説壁画はお披露目されました。
 皆様、どうか一度ご結縁下さいませ。

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